カスタマージャーニーとは?作り方のポイントや注意点を事例とともに解説

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SCSK株式会社、BtoBカスタマーサポートツール「CarePlus Cloud」担当です。

カスタマージャーニーとは、時間軸ごとに変化する顧客の動きを表したものです。カスタマージャーニーをもとに顧客の行動を確認すると、高精度なマーケティング施策を実現できます。この記事では、カスタマージャーニーマップを活用しようと考えている人に向けて、カスタマージャーニーの概要や作り方について解説します。

カスタマージャーニーを作成して自社のマーケティングに活かすために、ぜひ参考にしてください。

BtoBサポート部門における業務効率向上、成功のカギはお客様の情報共有にあります。BtoB/BtoCに共通する一般的なサポート業務の課題、BtoBサポート業務ならではの課題を整理し、その解決策や事例について紹介します。

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目次

カスタマージャーニーとは

カスタマージャーニーとはどのようなものなのでしょうか。ここでは、カスタマージャーニーがどのような手法であるか解説します。

ユーザの動きを見える化する手法


カスタマージャーニーとは、顧客の行動や思考などをまとめて把握するためのものです。具体的には、顧客が自社の商品やサービスと接点をもってから、購入や登録にいたるまでの流れを時系列で表しています。この流れは「旅」にたとえられます。

カスタマージャーニーマップは、この流れを目で見て確認できるように図でまとめたものです。

役立つ場面


数十年前は、テレビ、新聞、雑誌などのメディアなどのタッチポイントを想定するだけである程度効果的なマーケティング施策を打ち出せました。しかし、現代ではインターネットやスマートフォンが普及し、顧客の行動は複雑化しています。カスタマージャーニーは、顧客にとって最も適したタイミングで情報提供するために役立ちます。

カスタマージャーニーが必要な理由

自社が扱っている同じ商品やサービスでも、購入の理由や目的は顧客によって多種多様です。そのため、マーケティングでは、それぞれの顧客にあわせて施策を検討する必要があります。それぞれの顧客にあわせてカスタマージャーニーマップを作成すると、さまざまな顧客に適したアプローチを効率的に実践できるようになります。

カスタマージャーニーを作成する4つのメリット

カスタマージャーニーを作成した場合、さまざまなメリットを得られます。ここでは、具体的な4つのメリットを解説します。

顧客目線のマーケティング施策が打てる


カスタマージャーニーを作成する際は、顧客の行動や思考の把握が重要です。顧客の目線を意識しやすくなり、顧客に寄り添ったマーケティング施策を打ち出せるようになります。顧客がどのような行動をとるか仮説を立てて検討するため、マーケティング施策の内容が企業目線に偏るリスクが少なくなります。

社内やチームで共通認識が持てる


カスタマージャーニーについて考える際は、顧客の行動の流れを把握するためにカスタマージャーニーマップを作成します。図で表せば直感的に理解できるため、社内での意思疎通もしやすくなるでしょう。チームや関係者同士で共通の認識がもてるようになり、よりスムーズに施策を実行に移すための取り組みができます。

マーケティング活動がスムーズになる


カスタマージャーニーマップを見れば顧客の行動や思考をすぐに把握できるため、マーケティングについての前提となる情報もチームや関係者同士で共有できます。そのため、マーケティング施策の立案から実行までの流れも効率化できます。

カスタマージャーニーマップを指針として捉えれば、企画や制作などの目的にもズレが生じにくいです。

ブランド価値が向上する


カスタマージャーニーでは顧客との接点を具体的に明らかにできます。それぞれの接点で顧客体験の質を向上させられた場合、ブランドの価値も高まるでしょう。その結果、顧客がファンとしてブランドを好むようになり、継続的な購入や指名買いにつながる可能性があります。カスタマージャーニーでは、最終的なブランド価値の向上まで視野に入れるべきです。

カスタマージャーニーの作り方

カスタマージャーニーを1人の担当者で作ろうとすると、偏った内容になる恐れがあります。そのため、複数人が意見を出しながら完成させましょう。ここでは、カスタマージャーニーの具体的な作り方を解説します。

1. ペルソナを設定する


ペルソナとは、商品やサービスのターゲットとなる顧客像のことです。カスタマージャーニーでは最初にペルソナを設定し、その属性や立場をもとにブランド認知から購入までの流れをイメージします。ペルソナを複数設定するなら、カスタマージャーニーもそれぞれわけて作りましょう。

BtoBではキーパーソンを絞り込む


BtoBの場合、ペルソナを設定する際には購買関係者の一覧表も作る必要があります。購買関係者とは、商品やサービスを実際に使用する部門や経営者などです。購買関係者のなかから、契約を結ぶための鍵になる人物を絞り込みます。個人のペルソナを設定し、積極的な情報提供を行いましょう。

2. ゴールを明確にする


ペルソナが最終的にどのようなゴールにたどり着いてほしいか決めましょう。ゴールとしては、たとえば購入や問い合わせなどがあげられます。ゴールが明確になれば、必要な情報や課題はもちろん、目的も改めて確認できます。

3. フレームを決める


フレームは、カスタマージャーニーを作るために必要な枠組みです。横軸には「認知」「関心」「比較」「行動」など、縦軸には「タッチポイント」「行動」「思考」などを設定します。これらの項目を埋めていき、カスタマージャーニーを作成します。

なお、BtoBでは購入までの流れだけでなく、購入後に継続的に利用してもらうためのオンボーディングについてもカスタマージャーニーに含めましょう。単なる契約を目指すのではなく、長期的な契約を意識する必要があります。

4. 必要な情報を収集する


顧客の全体的な行動やタッチポイントを確認したら、必要な情報を集めましょう。まずは、社内で保有している顧客情報をチェックし、カスタマーサポートの対応履歴やアンケート結果をまとめます。情報が足りない場合は、新たにインタビューや市場調査などを実施し、必要な情報をしっかり収集できるようにしましょう。

5. ラフにマッピングする


収集した情報をもとにし、まずはフレームへ大まかにマッピングします。一部の部署だけでなく、さまざまな部署のメンバーを交えて作業すると多くの気づきを得られます。マーケターだけでなく、経営層、セールス、カスタマーサポート、企画・開発など、さまざまな部署のメンバーを集めてワークショップ形式でマッピングを行いましょう。

6. カスタマージャーニーマップを仕上げる


マッピングした内容をもとにし、顧客の行動や思考などを一連の流れとして捉えます。イラストやグラフなどを積極的に使用すると、誰が見ても直感的に理解しやすいカスタマージャーニーマップを作成できるのでおすすめです。

作成時の注意点

カスタマージャーニーを作成する際は、注意点もあります。ここでは、起こりやすい失敗とともに、それに対する対策について解説します。

あくまでもペルソナ目線で作成する


慣れていないと、顧客よりも担当者の希望や都合が優先されたカスタマージャーニーが完成するケースもあります。カスタマージャーニーには顧客の行動や思考を反映する必要があるため、調査やデータなどの根拠をもとにしてペルソナの目線を重視しましょう。

細かく作りすぎない


カスタマージャーニーを作成するにはペルソナの姿を正しく俯瞰する必要があるため、簡単ではありません。最初から完成度の高いカスタマージャーニーを目指すのではなく、できる範囲で対応しながらブラッシュアップすることをおすすめします。

一定期間でバージョンアップし続ける


顧客は常に変化しており、1年ほど経過すればカスタマージャーニーマップも実情とは異なるものになります。そのため、半期や1年ごとに見直してバージョンアップするようにしましょう。

サブスクリプションビジネスは既存顧客が重要


サブスクリプションで商品やサービスを提供している場合は、新規顧客の獲得よりも既存顧客の維持が重要な意味をもちます。カスタマージャーニーにおいても、購入ではなく契約更新を最終的な目標に掲げるべきです。購入後のタッチポイントを探し、それぞれの顧客に対して効果的な施策を打ち出しましょう。

作成時に理解を深めるためのスライド

ここでは、カスタマージャーニーの考え方や作り方について参考になるスライドを紹介します。

Adaptive Pathのエクスペリエンス・マッピング・ガイド


海外で有名な「Adaptive Path(アダプティブ・パス社)」が公開している資料の日本語訳です。エクスペリエンスマップの作り方を紹介しているスライドですが、基本的な考え方や作り方についてはカスタマージャーニーと共通しています。

※参考:Adaptive Pathのエクスペリエンス・マッピング・ガイド|sideshare

ミツエーリンクス社のなぜなに?ユーザエクスペリエンスマップ


Webサイトの制作会社であるミツエーリンクス社が公開しているスライドです。カスタマージャーニーを活用できる場面や事例について、くわしくまとめられています。カスタマージャーニーを使いにくいタイミングについても紹介されています。

※参考:なぜなに?ユーザエクスペリエンスマップ(概要編)|sideshare

参考にしたいカスタマージャーニーマップの事例

カスタマージャーニーマップは具体的にどのように活用されているのでしょうか。ここでは、具体的な事例を紹介します。

Airbnbの事例


Airbnbは個人が所有する住宅を宿泊先としてレンタルするためのプラットフォームです。旅行者が宿泊先の候補を選定し、実際に宿泊してその住宅を評価するまでの流れをカスタマージャーニーに落とし込みました。タッチポイントにおける顧客の行動とともに、感情にもフォーカスしています。その結果、それまでにない新しい体験や価値の提供につながっています。

鉄道会社の事例


ある鉄道会社では、顧客が旅先を探して移動手段などを手配し、実際に旅行して帰ってくるまでの流れをカスタマージャーニーマップにしました。時間軸ごとの感情や体験を示し、同時に課題や改善点もわかりやすくまとめています。すぐに顧客の様子がわかるため、それぞれのタイミングで最適なアプローチを実現できます。

博物館の事例


ある博物館は、顧客が博物館に行きたいと考えてスケジュールを決定し、実際に博物館を訪れてから帰宅するまでの流れをカスタマージャーニーマップとしてまとめています。さまざまなペルソナを想定し、4つにわけてマッピングしている点が特徴的です。ペルソナごとの行動や思考の違いを押さえ、それぞれにあわせた対応ができるようにしています。

まとめ

さまざまな顧客に対して適切にアプローチするためには、カスタマージャーニーによる分析が必要不可欠です。それをもとにマーケティング施策を打ち出し、ブランド価値や売上の向上を目指しましょう。

カスタマージャーニーを分析し、特に既存顧客の維持対応を見直したい方はカスタマーサポートツールの導入もおすすめです。SCSK株式会社の「CarePlus Cloud」は、ステークホルダーが多いBtoBのサポート業務に特化したBtoBカスタマーサポートツールです。

BtoBサービスでは顧客ごとに細やかな対応が必要ですが、自社の業務効率化も視野に入れるならWebチャネルをメインとしたサポート体制がおすすめです。よりスムーズにサポート業務を進めるために、ぜひ活用してください。

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